せっかく立てた計画がいつも途中で挫折してしまう――そんな悩みを感じたことはありませんか?
実は、計画倒れにはいくつかの共通した原因が存在しており、対策を講じることで、挫折を未然に防げます。
本記事では、「計画倒れを引き起こしやすい5つの原因と、それを避けるための具体的な方法」をご紹介します。
より確実に目標達成するためのヒントを、この記事で見つけてくださいね。
計画倒れの要因を考える前の心得
ある研究によると、プロジェクトの失敗の多くは、適切な計画と実行を通じて防ぐことができると示されています。
その結果、失敗を防ぐ割合は約70%に達するとのことです。
特に、プロジェクトマネジメント協会(PMI)の調査によると、組織内で統一された手順書(マニュアル)を作成して導入することで、目標達成率が73%、予算内での完了率も約60%に向上したと報告されています。
これは、「コミュニケーション不足」や「リスクの見落とし」といったよくある問題を改善することが、失敗を防ぐ上で非常に重要であることを裏付ける結果です。
例えば、プロジェクトの失敗の約57%は、コミュニケーション不足が原因であると報告されており、適切な情報共有の仕組みを整えることの重要性が指摘されています。
一方で、予測が難しい外部要因、例えば経済の変動や市場の急な変化が原因である失敗は、全体の20〜30%を占めており、これらは計画だけでは管理しきれません。
こうした外部要因には、「急な予算変更」や「技術的な問題の発生」、「組織内での意見の不一致」などが含まれ、こうした場合では計画通りに進められないこともあります。
そのため、大きなプロジェクトを成功させるには、柔軟に対応できる戦略や創意工夫が欠かせません。
上記の研究を踏まえた上で、規模の大きい計画ほど実行前にできる限り失敗要因を出して対策を講じることが求められます。
「この計画が失敗したと仮定したときに、その原因は何ですか?」
この問いかけを常に忘れないようにしましょう。
計画倒れの5つの原因と計画倒れを防ぐ具体例
計画倒れにつながる原因として、主に以下の5つが挙げられます。
1.目標が曖昧で行動計画が立てられない
2.計画の進捗確認を怠っている
3.計画の進捗確認を怠っている
4.ゴールの遠さによるモチベーションの低下
5.予期せぬ出来事による計画変更
上記の要因の多くは対策で防ぐことができます。
原因1.目標が曖昧で行動計画が立てられない
目標が曖昧なほど、行動計画段階の挫折が増える傾向があります。
例えば、「健康になりたい」や「仕事を頑張る」という目標は具体性がなく、何をすれば良いのかがはっきりしません。
初めはやる気がなくても、作業を行っているうちに調子が出てきて、没頭して行動できることもあります。
やる気の源は「行動」にあります。
目標が曖昧で行動計画が立てられない状態が続くと、やる気が失せてしまい、計画倒れの原因になり得ます。。
SMARTの法則を使った目標設定をしてみよう
「Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)」という5つの要素を取り入れた目標設定の法則
上記の法則を基に目標設定をすることで、目標が明確になり、具体的な行動をとれるようになるでしょう。
ちなみに、エドウィン・ロックによる「目標設定理論」によると、難易度が少しだけ高い具体的な目標を設定することで、パフォーマンスの向上に効果があることが示されています。
例えば「売上を3ヶ月で20%増やす」といった具体的な目標を設定できれば、何に取り組めば良いかがはっきりし、やる気も湧きやすく行動に移しやすいです。
SMART目標について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
【参考文献】Edwin A. Locke(2002):Building a Practically Useful Theory of Goal Setting and Task Motivation
原因2.現実的な計画を立てられていない
計画が現実的でないと、成果を感じられないことでモチベーションが下がり、計画が続かなくなる原因にもなります。
例えば、ダイエットを経験している方なら「1ヶ月で10kg減量する」という目標が非現実的であることに共感していただけるはずです。
非現実的な目標は、挫折につながりやすいと考えましょう。
解決策:現実的な量になるように行動を細分化する
計画をより現実的にするためにも、行動を細分化して難易度を下げることが重要です。
例えば、「2週間で0.5kg減量する」というように、無理のない目標を設定することで、あなたが長続きする計画を立てられるでしょう。
また、「これくらいなら確実にできる」と思えるくらいの軽い負荷で始めるのがポイントです。
目標に対して「やりごたえがありすぎる」と感じる場合は、少し難易度を下げて行動を細分化するのをおすすめします。
要因3. 計画の進捗確認を怠っている
進捗が確認できないとモチベーションが下がりやすい傾向があります。
進捗確認が不十分だと、自分がどこまで進んでいるのかが分からなくなり、目標に対する意欲が低下します。
定期的に進捗を確認することで、自分の成長を実感でき、計画を進めやすくなります。
解決策:定期的に進捗確認をする
進捗はモチベーション維持のために重要なので、定期的に確認できるようにしましょう。
目標を立てて行動する人は多い一方で、進捗状況を見直す人は意外と少ないのではないでしょうか?
早い段階で行動の修正ができなかったことが、計画倒れの原因になることもあります。
例えば、週ごとや月ごとに振り返りを行う時間を設けるなどして、定期的に計画通り進んでいるかチェックしましょう。
進捗が思うように進んでいない場合は、その都度計画を修正し適切な難易度になるように調整します。
多少予定がおくれていても大丈夫なように、計画は余裕を持たせて立てることをおすすめします。
ちなみに、Benjamin Harkin博士(シェフィールド大学)の研究によると、進捗を定期的に確認することで目標達成率が大きく向上することが確認されています。
【参考文献】American Psychological Association(APA):Does Monitoring Goal Progress Promote Goal Attainment? (2015)
2015年に発表されたこの研究は、138の異なる研究を分析したメタ分析で、総計19,951名の参加者が対象となりました。
主に健康目標(体重減少、禁煙、食事改善など)に関連する行動の変化を調べた結果、進捗を頻繁に確認することで目標達成の可能性が高まることが示されました。
特に、進捗を物理的に記録したり、公に報告したりすることで、さらに効果が高まることが明らかにされています。
たとえば、体重管理グループで他のメンバーと一緒に体重を測定するなど、進捗確認を共有する環境が目標達成を促進します。
この結果は、健康改善だけでなく、仕事や自己改善における目標設定にも応用できるとされています。
上記の方法と以外にも、進捗状況の確認しやすさがメリットである以下の方法も試してみると、目標達成の成功率が上がる可能性があります。
【参考記事】
SMART目標達成のカギはここ!シール法で目標を見える化する方法
原因4.ゴールの遠さによるモチベーションの低下
「あなたが1万ピースのジグソーパズルに挑戦している場面」を想像してみてください。
「500ピースを完成させた状態」と「9500ピースを完成させた状態」を比べたとき、どちらのほうがやる気が出ると思いますか?
おそらく多くの人が、ゴールに近い後者の状態の方がやる気を感じるでしょう。
この例が示すように、ゴールの遠さはやる気に大きな影響を与えます。
新年に立てた目標が途中で挫折してしまう理由のひとつとして、大きすぎる目標を立てることが挙げられます。
新年の勢いに任せて大きな目標を掲げたものの、進めていくうちにゴールが遠く感じられ、途中でやる気を失ってしまう――これが、よくある計画倒れの原因です。
仮にこれまでに達成したことのある目標であれば、成功体験から自信が湧き、やり遂げることができるかもしれません。
しかし、多くの人が掲げる目標は、初めて挑戦するものが多いため、大抵の場合計画倒れに終わってしまいます。
解決策:短期的な目標を設定する
長期的な目標を達成するためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
ゴールが遠ければ遠いほど、やる気は自信に左右されます。
例えば、資格取得を目指す場合、本番までの間にモチベーションを保つ工夫が必要です。
大きな目標を達成するまでのモチベーションを保つ工夫の1つとして、短期的な小さな目標を立てる手法(スモールゴール)をおすすめしています。
興味のある方は以下の記事をご覧ください。
【参考記事】
スモールゴールの活用法:初心者が目標を達成するための3つのコツ
原因5.予期せぬ出来事による計画変更
例えば、天候などによる突然の予定変更や体調不良などにより、予期せぬ出来事で計画が狂うことってありますよね。
こうした不測の事態に備える上で、「計画に余裕を持たせること」が重要になってきます。
解決策:柔軟な計画を立てる
計画を立てる際には、予期せぬ事態に備えて、時間やスケジュールにゆとりを持つことが大切です。
たとえ計画がうまく進まなくなっても、最初から余裕を持たせることで途中で調整しやすくなり、挫折する原因を未然に防ぐことができます。
ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の調査によると、柔軟に働ける環境やゆったりとしたスケジュール管理を導入した職場では、「生産性の向上」や「プロジェクトの成功率の向上」が確認されています。
特にパンデミック以降、このような工夫を取り入れたチームにおいて、生産性が約70%向上したというデータもあります。
このような結果からも、「計画に余裕を持たせることの重要性」が分かります。
「これなら確実にできる」と思う作業量の半分くらいの負荷で計画を立てることで、予期せぬ問題が起きた際に冷静に対処できる可能性を高めることもできるでしょう。
【参考文献】Harvard Business School Working Knowledge, 22 October 2021:Want Hybrid Work to Succeed? Trust, Don’t Track, Employees.
まとめ
今回は、計画倒れの原因について触れつつ、計画倒れを防ぐためのコツについて触れてきました。
今回のポイントを以下の5つにまとめました。
- 目標を明確にする:SMART法則に基づき、具体的かつ測定可能な目標を設定します。
- 現実的な行動計画:実行可能なステップに分割して、無理のない進行を目指します。
- 進捗の確認を定期的に:モチベーションを維持しやすくするため、定期的な振り返りを行います。
- 短期的な達成感を得る:大きな目標に向かう際には、小さな成功体験を積み重ねる。
- 柔軟な対応:予期せぬ事態に備えて、時間やスケジュールに余裕を持たせましょう。
上記のポイントを意識することで、計画倒れの原因の予防ができるため、より着実に計画を遂行できるようになるでしょう。
まずは一つのポイントから取り入れて、あなたの計画に役立ててみてはいかがでしょうか。
小さな改善を積み重ねることで、より成功確率の高い計画が立てられます。
それでは、あなたの計画が最高の結果になることを期待しています。