目標を立てたけど、途中で挫折してしまったことはありませんか?
新年を迎えたときに決意した目標について、数か月も立たないうちに挫折してしまっている――多くの人が同様の経験を繰り返しています。
そんな時に役立つのが、SMART目標です。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(現実的)
- Time-bound(期限付き)
上記の5つの要素から成り立つ目標設定法で、多くの自己啓発本やビジネス書でも紹介されています。
もしかしたら、あなたも一度は試してみたかもしれませんね。
一方で、特に「M」(測定可能)が難しいと感じる人が多く、挫折原因の多くはここにあります。
この記事では、SMART目標における「M」の重要性を再確認つつ、目標を測定可能にするためのシンプルで効果的な方法である「シール法」について解説します。
目標達成における失敗の原因
「一度失敗した目標は、99.9%次も失敗する」
私自身も、毎年似たような目標を立てては失敗を繰り返していたのですが、後に分析してみた結果、毎年同じような目標を立てて挫折していたことに気づきました。
この話を聞いて、あなたも思い当たる節があるかもしれませんね。
このような失敗ほとんどは、設定した目標がSMARTの法則を満たしていないことが原因です。
「SMARTの法則を意識して目標を立てたはずなのに‥‥‥」
実は、この手法を知っている人でも、無意識に曖昧にしてしまう要素が1つあり、それが原因でモチベーションの維持に支障をきたしているケースがあります。
そのポイントが、「測定可能であるか」です。
「M」:測定可能であることの重要性
SMART目標の「M」――つまり「測定可能である」というのは、目標達成のモチベーション維持に欠かせない要素です。
測定ができない目標は、進捗を把握しづらく、達成感や満足感を得にくいため、途中で諦めるリスクが高まります。
目標達成までの道のりをマラソンに例えるとわかりやすいです。
ゴールまでの道のりがひたすら苦痛の中で、走り続けるモチベーションになるのは、「ゴールに対してどこまで進んでいるか」を把握することではないでしょうか。
例えば「〇メートル地点まで頑張ろう」といった具合で自分に言い聞かせるのと同じように、目標も進捗状況を把握して前進していることを実感することがモチベーション維持に貢献します。
シール法:目標を測定可能にする手法
目標の測定方法に困ったときに有効な手法が、「シール法」です。
このシール法は行動を強化する方法であり、心理学者B.F.スキナーのオペラント条件付けの理論に基づいています。
スキナーの実験では、報酬によって行動が強化されることが明らかになっており、この条件付けを応用しているのが、今回の「シール法」です。
やり方は至ってシンプルです。
1.目標達成のために必要なタスクを書き出す
2.毎日達成したタスク毎に、シールを1枚貼っていく。
3.一定数シールが溜まったら、自分にご褒美を与える。
(なるべくお金をかけず、手軽に楽しめるご褒美がおすすめです。例えば、「お気に入りのカフェでコーヒーを飲む」「趣味の時間を少し長めに取る」「お気に入りの映画やドラマを観る」といった小さな楽しみを設定しましょう)
要は「行動できたらシールを貼る」というシンプルな方法です。
上記の3つ流れを守りながら実践するだけで、目標に向けた進捗が「見える化」されるため、達成感を感じやすくなります。
【参考文献】
「スキナーの実験」(B.F. Skinner, 1948)
「報酬や罰を通じて行動を強化できる」という心理学の原則を示した実験です
シール法を取り入れるメリット
シールを使った目標管理は、簡単に始められる上に、多くのメリットがあります。
①視覚化によるモチベーションの向上:シールが増えることで達成感を得られ、次のステップへ進む意欲が湧きます。
②進捗が分かりやすい:毎日の小さな達成を積み重ねることで、目標達成までの道筋が明確になります。
③継続しやすい:日々のタスクを1つ1つこなすことで、長期的な目標に向かって継続して努力しやすくなります。
④必ず前進している:体重のように、測定するポイントによっては目標から後退してしまう場合があります。シールを貼る手法は「成果の積み重ね」になるため、モチベーションにプラスに働きます。
シール法の効果:管理人(さんとー)の体験談
このシール法の効果は、私自身も子どもの頃に体感しています。
私が当時通っていた学校の先生が「勉強量に応じてシールを貼る」というシステムを考案してくれました。
100枚シールが溜まると、ちょっとした文房具がもらえるという仕組み。
当時、私に勉強習慣はあまりなかったのですが、「シールが増えていくこと」自体に楽しさを感じ、勉強量が飛躍的に増えました。
結果、1年間で約400枚のシールを集めることができ、勉強が苦手だった私も学力を飛躍的に伸ばすことができました。
この時期だけですが、「天才」と呼ばれてたのが懐かしいです。
これが、目標における「測定可能」の要素がもたらす大きな効果です。
シール法を実際に試してみる
ここまで、シール法の有効性や私の体験談を通じて、SMART目標の「M」(測定可能)をしっかりと確認させる重要性について説明してきました。
次は、実際にどのようにこの方法を実践するかについて、具体的に見ていきましょう。
シール法をするにあたって、以下の3点について予め決めておいてください。
①自分の目標をSMARTの法則を基に明確に設定する
②シールを貼る具体的な行動を決める
③「あなたの気分が上がるご褒美」を送る基準(シールの枚数)を決める
あとは行動とシールを貼ることを繰り返すだけです。
例えば、「『毎日10分英語を勉強する』というタスクに対して、達成したらシールを1枚貼る」とか「『毎日30分運動する』というタスクに対して、達成したらシールを1枚貼る」といった具合です。
シールが日々増えていくことで、視覚で進捗状況を実感でき、最終的には大きな目標の達成につながるでしょう。
まとめ
今回の記事では、SMART目標の中の「M」(測定可能)の助けとなる方法として「シール法」を紹介しました。
目標を測定可能にすることで、進捗が視覚化し、モチベーションを維持しやすくなります。
以下に、記事の要点をまとめます。
- SMART目標は5つの要素から成り立っていますが、特に「M」(測定可能)を意識することが重要。
- シール法を使うことで、成果を積み重ねながら進捗を視覚化できるため、モチベーション維持に役立つ。
- オペラント条件付けに基づいた方法であり、日々の達成感を味わいながら行動を習慣化できます。
まずは行動目標を1つ決めてシール法を取り入れてみてください。
毎日の小さな達成を視覚化することで、目標達成がもっと楽しく、身近に感じることができるはずです。
ぜひこの方法を実践して、あなたの目標の達成につなげてください。
それでは、読んでくださったあなたが大成功を収められるように、陰ながら応援しています。