日々の生活の中で、気がつくと悩みが頭から離れず、モヤモヤと抱え込んでしまうことはありませんか?
悩みの原因がはっきりせず、どう向き合えばいいのかが見えなくなると、心も重くなってしまうものです。
そんなときに、自分の悩みを整理し、少しでも心を軽くする方法を知っておくと、前向きに歩き出す力が湧いてきます。
この記事では、「悩みの本質を知り、悩みと向き合うための2つの方法」を、最強マーケター森岡毅さんが「日曜日の初耳学」で話した内容を参考に、具体的にご紹介します。
悩みには2つの特徴がある
森岡さんは、悩みの特徴をを2つ述べられました。
1.本人が何に悩んでいるかわかっていない
- 「本当は何に悩んでいるのかを明確にする必要があり、『人と会話する中で』悩みの根源を明確化する必要がある」
2.悩みは解決するのではなく付き合っていくもの
- 人と話していても解決しないような悩みは、「人生にとって大切なことだから」当然起こるものである。
- 今日だけが辛いなら耐えられる。だけど、明日も明後日も――というように、未来永劫続くように感じられるなら辛くて耐えられなくなるから、「この課題(=悩み)にどのように向き合っていくか」を考える必要がある。
この動画では、ある若者(Aさん)の悩みを基に話が展開されています。
Aさんは、「カフェを経営したいと考えているが、『今やっておくべきこと』が具体的に浮かばない」という悩みを抱えています。
今までの人生において「やりたいことがころころ変わっている状態」で、「本当に進むべき道が分からない」状態だということです。
ただ、森岡さんは「こうなるのは当たり前だ」と述べた上で、状況を基に1つの指摘をしました。
「カフェの経営術とかではなく、『カフェの経営のようなやりたいことを明確化するために、自分は何をしたらいいのか』に悩んでいるのではないか」と。
このあと、「『進む目的や情熱を傾けられること』をどうしたら見つけられる?」という質問に置き換えて話が展開されましたが、今回は「悩み」を深堀していきます。
悩みの種が分かったら悩みの半分は解決する
誰かと話しているうちに、自分でも気づいていなかった悩みの原因が見えてきて、気持ちが軽くなった経験はありませんか?
一人で考え込んでいると、どうしても視野が狭くなりがちで、悩みが実際以上に大きく感じられてしまうものです。
そんな時、他人に話すことで新しい視点が加わり、悩みの本当の原因や解決の糸口が見つかることがあります。
まずは自分の気持ちや悩みの根本を整理することが大切です。
その具体的な方法として、以下の2つの「悩みを解決するカギ」を参考にしてください。
悩みを解決するカギ①:他の人に悩みを話してみる
心理学的にも「悩みを話すこと」は解決の第一歩として効果的だとされています。
たとえば、「話をすることで悩みの重みが和らぐ」とする研究結果もあり、実際に人はの感情を言葉にするだけでもストレスを軽減できることが分かっています。
「話すこと」によって悩みやストレスが軽減されるという研究は複数あり、代表的なものに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究があります。
この研究では、話すことで自分の感情を言葉にすることが、脳の情動に関わる領域である扁桃体の活動を抑える効果があると示されています。
扁桃体は、脳の中で主に感情、特に不安や恐怖といった情動に深く関わる部位です。
悩みやストレスを抱えていると、この扁桃体が活発に働き、私たちに「不安」や「恐れ」を強く感じさせることがわかっています。
感情を言葉にして話すことで扁桃体の活動が抑制されると、不安が和らぎ、落ち着いて考えやすくなるのです。
このように、感情を話すことは脳が落ち着かせ、悩みの「重さ」が軽くしてくれるため、悩みを客観的に見つめ直す余裕が生まれます。
気持ちが落ち着くことで、問題を冷静に整理でき、自然に解決策を見つけやすくなるのです。
また、話しているうちに「そこまで深刻な悩みではなかったかも?」と気づくこともありますよね。
これは、自分の頭の中で悩みが大きく膨らんでいただけで、実際にはそれほど大きな問題ではなかったことに気付けたからです。
他人と話すことで、頭の中が整理され、悩みの重さや本当に大事なことが見えてくると、心が軽くなり、解決への一歩を踏み出しやすくなります。
「悩んだら誰かに話してみる」というシンプルな方法が、悩みの解決の糸口になることもがある。
悩みを解決するカギ②:自己対話の時間を作る
話せる人がいないとき、まずは自分との対話を深める「自己対話の時間」を作ってみましょう。
自己対話とは、自分の心に問いかけながら考えを整理し、悩みを客観的に見直すことです。
他人に悩みを話すのが難しいと感じたら、まずは自分の中で「なぜ悩んでいるのか」「本当の原因は何か」と問いかけてみましょう。
この過程が悩みの整理につながり、自分が本当に向き合うべき課題を見つけるための第一歩になります。
その上で、悩みに関連しそうな事柄を学びながら理解を深めることも効果的ですが、悩みの解決に焦点を当てるのであれば、哲学書に触れることをおすすめします。
なぜなら、私たちが抱える曖昧な悩みの多くに対して、哲学はヒントや答えを示してくれることが多いからです。
理由①:普遍的な人間の悩みをくみ取っているから
私たちは自分の悩みが特別だと感じがちですが、実は過去に他の人も同じような悩みを抱え、解決してきたものが多く存在します。
哲学書は、こうした「普遍的な人間の悩み」を深く考察している本です。
たとえば、古代から現代にいたるまで、幸せや自己実現、他者との関わり方といった悩みは、多くの哲学者たちによって議論されてきました。
これに触れることで、現在の自分の悩みが「時代を超えて存在する悩みである」と気づけるでしょう。
理由②:自己対話を促すから
哲学書を読むことは、一種の自己対話を深める行為です。
哲学の思考実験や問いかけは、読者に「自分はどう感じるか」「何を価値としているか」といった内面的な問いを投げかけます。
これによって、悩みや考え方を棚卸しする時間が生まれ、その過程で悩みの本質にたどり着けることもあります。
理由③:新しい視点を与えてくれるから
哲学書の多くは、人間や人生に対する新しい視点を与えてくれます。
たとえば、ストア派哲学のように「物事にどう対処するか」を考える哲学や、エピクロス派のように「幸せについて」を考える哲学があります。
【ストア派哲学】
困難な状況や予期せぬ出来事が起きたとき、「自分にできること」と「自分ではどうにもならないこと」を見極め、前向きに対処する方法を教えている。
代表的な人物:セネカ、マルクス・アウレリウスなど
【エピクロス派哲学】
「幸せとは何か?」をシンプルに考えることで、幸せを日常の中で見つける視点について教えている
代表的な人物:エピクロス、ルクレティウスなど
こうした哲学の考えに触れると、悩みを客観的に捉えなおし、視野を広げるきっかけになるでしょう。
悩みを抱えたら、まずは自己対話の時間を作り、自分の内面と向き合ってみることをおすすめします。
読書、とくに哲学書に触れることで、悩みを客観的に見ることができ新しい視点が得ることができるかもしれません。
自己対話の時間は他人に相談することと似た効果をもたらす
理由②について考えてみると、哲学書を通じた「自己対話の時間」は、他人に悩みを相談するのと同じような効果を持つことに気づきます。
哲学書の問いかけは、まるで「信頼できる相手との会話」のように、自分の中にある悩みの原因や解決策に気づかせてくれるのです。
実際、私自身もこうした哲学書や自己対話を繰り返す中で、他人に悩みを相談する頻度が減り、より自分で答えを見つけられるようになりました。
悩みがあるときには、「信頼できる誰かに相談すること」または「自己対話の時間を作ること」、この二つを試してみると良いでしょう。
哲学書に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは一般的な本でも構いません。
読書の習慣をつけることで、自己対話が深まり、悩みを解決する助けになってくれるはずです。
まとめ 心が軽くなる悩みとの向き合い方とは
今回の記事では、悩みを解決するための2つの方法について詳しくご紹介しました。
悩みは「悩みの種を理解すること」と「悩みと向き合うこと」の2つの特徴があるとされています。
森岡毅さんの視点からも、悩みの根本原因を明確にし、悩みと付き合う方法を考えることの重要性が示されています。
今回の記事で伝えた内容を以下にまとめます。
【悩みの特徴】
1. 自分が何に悩んでいるか、はっきりと分からないことがある
2. 解決するのではなく、悩みと上手に付き合っていくことが必要
【悩みを解決するカギ①:他の人に話してみる】
他人に話すことで脳が落ち着き、悩みが軽くなる。
さらに悩みの本質を客観的に見つめ、冷静に解決策を探る余裕が生まれる
【悩みを解決するカギ②:自己対話の時間を作る】
自分との対話を深めることで悩みを整理し、必要であれば哲学書などを活用して視点を広げることも効果的
悩みを抱えているときは、誰かに相談するか、自己対話の時間を持ってみましょう。
どちらも悩みを整理し、心を軽くする助けとなるはずです。
【今回の参照動画】
YouTube:日曜日の初耳学【公式】様より
【未公開】最強マーケッター・森岡毅の熱血授業!悩みの特徴とは?悩みは解決するものではなく付き合っていくもの【配信オリジナル】