新年に目標を立てたのに、気づけば「来年こそ頑張ろう」と諦めていませんか?
目標を立てようとする一方で、多くの人が挫折を味わっています。
目標達成が難しい背景として、「目標設定の方法に問題があること」が挙げられます。
そこで役立つのがSMARTの法則です。
この法則を試してみて挫折した経験を持っている方もいらっしゃいますが、蓋を開けてみると、SMARTの法則に従っていない目標であるケースも散見されます。
どんなに大きな夢でも、正しい目標設定ができれば達成可能ですし、SMARTの法則に従った目標の立て方はまさに「王道」と言えるでしょう。
この記事では、「SMARTの法則を使った具体的な目標設定の方法」を解説します。
SMARTの法則について、目標設定の基礎としてこの機会に再確認してみてくださいね。
SMARTの法則とは?成功する目標設定の5つの基準
「SMARTの法則」は、「目標を設定するための五つの基準」を示し、目標達成の確率を高めるために使われている法則です。
この「SMART」という名前は、以下の5つの基準の頭文字をとったものです。
- S(Specific):具体的である
- M(Measurable):測定可能である
- A(Achievable):達成可能である
- R(Relevant):現実的である
- T(Time-bound):期限がある
この法則を活用することで、目標達成までの道筋がより具体的になります。
それでは、SMARTの法則を使った目標設定の方法を見ていきましょう。
SMART目標設定法を活用した具体例
今回は「健康的になりたい」という目標を基準に説明していきます。
1. Specific(具体的である):目標を明確にする方法
まず、目標は誰にでもわかるように具体的に設定することが大切です。
例えば、「健康になりたい」では漠然としすぎていますよね。
具体的に「どうなったら健康的といえるのか」を明確にする必要があります。
「健康になりたい」という目標を「毎朝7時に近所の公園で30分間ウォーキングを行う」に置き換えると、明確で実行しやすい行動目標になります。
特に、「いつ・どこで・何をするか」に焦点を当ててみてください。
他の人にも説明しやすく、実行もしやすい目標に仕上がっていれば大丈夫です。
- 目標達成のために、あなたはいつ・どこで・何をしますか?
- 仮に友人に自分の目標を説明するとしたら、あなたはどのように伝えますか?
上記のような自問を併せて行えば、より具体的な目標を出しやすくなるでしょう。
2. Measurable(測定可能である):進捗を記録する仕組みを作る
目標は進捗が分かるように測定可能である必要があります。
ウォーキングで例えるならば、「何分歩いたか」や「30分歩けた日数」といった具体的な数字で進捗を確認できるような仕組みづくりをしてみてください。
この仕組みを考える際には「成果が積み重なるように測定すること」を心がけましょう。
例えば、体重を基準とした場合、逆に太ってしまった場合にモチベーションが大きく低下する可能性があります。(ダイエットでは一時的に太ったり停滞することが多くあります)
ちなみに、DeciとRyanが2000年に行った研究によると、進捗を可視化することで達成率が向上することが証明されています。
成果が積み重なるように進捗を可視化して測定できる仕組みを整えることで、モチベーションが維持され、目標達成率の向上につながります。
測定方法に困ったときはこちらの記事「SMART目標達成のカギはここ!シール法で目標を見える化する方法」をご覧ください。
【参考文献】
研究の詳細については、以下の内容をご参照ください。
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The “what” and “why” of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior. Psychological Inquiry, 11(4), 227-268.)
3. Achievable(達成可能である):現実的な目標設定のコツ
目標は、無理なく達成可能なものである必要があります。
あまりにも高すぎる目標は、挫折の原因となりかねません。
たとえば、普段あまり運動しない人が、「毎日20kmのランニングをする」という目標設定は現実的とは言えません。
達成可能な目標を設定するためには、自分の現在地をしっかりと認識する必要があります。
まずは、自分の現状や能力を考えながら、少しずつ高い目標にしていくことが大切です。
例えば、「週に3回、15分のランニングから始める」といったように、段階的に目標を設定することで、少しずつ自分を成長させることができるでしょう。
その上で、現在のあなたに適切な目標を考える上で、相性がよいテクニックがスモールゴールです。
目標達成までに達成する小さなゴールを書き出して、その中から「少し頑張ればいけるかな」と思えるゴールを選んでそのまま目標にしてみましょう。
スモールゴールについてもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事「スモールゴールの活用法:初心者が目標を達成するための3つのコツ」をご覧ください。
4. Relevant(関連性がある):自分の価値観に基づく目標設定
目標が自分にとって本当に重要であることが、モチベーションを維持するためのカギです。
他人の期待ではなく、自分の価値観に基づいた目標を設定するために、下記のように自問しながら確認してみましょう。
- その目標は、他人に褒められたり、周囲の期待に応えたりするための目標になっていませんか?
「自分の健康と体力向上のためにウォーキングを習慣化する」のように、自分の価値観が目標を立てた理由になっていれば問題ありません。
ちなみに、心理学における「自己決定理論」によると、内発的動機(自身の内から湧き上がる理由)に基づいた目標の方が達成意欲が高く、成功率が上がることが確認されています。
5. Time-bound(期限がある):達成までの期限を設ける
目標が達成できていない人は、つい予定を先延ばしにしてしまう傾向があります。
仕事を期限内に余裕をもってこなせる人の多くは、期限が指定されていなくても自分で期限を決めてから取り組んでいます。
目標には必ず期限を設定しましょう。
締め切りがあると、期限内に達成しようとする意欲が高まり、作業効率も向上します。
例えば「『1か月以内』にウォーキングを習慣化する」というように、明確な期限を設定しておくことが大切です。
SMART法則を活用した目標設定の例
実際に、これらを全て取り入れた目標設定の例を見てみましょう。
例①:健康的になるという目標に設定したい場合
- Specific(具体的):週5回、朝7時から30分間ウォーキングをする
- Measurable(測定可能):1か月に20回以上ウォーキングを実施し、達成した日はカレンダーに記録する
- Achievable(達成可能):現状の週3回の運動からスタートして、次月以降は週5回を目標にする
- Relevant(関連性がある):体力向上とストレス解消が目的で、自分にとって重要な目標である
- Time-bound(期限がある):2ヶ月後にはウォーキングが習慣化されていることを目指す
例②:ビジネスにおいて営業成績を上げるという目標を設定したい場合
- Specific(具体的):週に5件の新規営業訪問を行う
- Measurable(測定可能):月間で15件の契約を目指す
- Achievable(達成可能):現状の10件からスタートして、次月以降15件を目標にする
- Relevant(関連性がある):自身の昇進目標に直結
- Time-bound(期限がある):3か月以内に達成する
このように、SMARTの法則を活用することで、より具体的で現実的かつ達成可能な目標に近づけることができます。
目標が明確になれば、日々の行動がブレずに進めることができ、結果として大きな成功につながります。
目標を達成するためのSMART法則の使い方 まとめ
SMARTの法則は、目標を効果的に達成するための基本的な考え方を法則として体現したものです。
以下に、その要点を整理しました。
- Specific(具体的である):目標は、誰が見ても明確で具体的に理解できるものである必要があります。曖昧な表現は避け、行動計画を明示します。
- Measurable(測定可能である):進捗を追えるように、数値や具体的なデータで目標を評価できる基準を設定します。
- Achievable(達成可能である):現実的に達成できる範囲で目標を設定します。無理のない段階を設けることが重要です。
- Relevant(関連性がある):目標は、自分の価値観や目的に関連し、意義のあるものにします。他人の期待に応えるだけの目標では、モチベーションが続きません。
- Time-bound(期限がある):目標には、達成までの明確な期限を設けます。これにより、達成に向けた計画を練りやすくなります。
この記事を参考に、まずは以下のようにSMARTの法則を試してください。
1.1週間以内に達成できる小さな目標を設定する
2.進捗を記録するためのノートやアプリを用意する
3.(抵抗がなければ)目標を友人や家族に共有して応援してもらう
SMART法を活用して日々の行動を計画的に進めていけば、目標達成への道が見えてきます。
一歩ずつ積み重ねていくことで、最終的には大きな成功を手に入れることができるでしょう。
あなたが大成功を収められるように、陰ながら応援しています。
P.S. 思いつく目標はあなたが達成できる可能性を示す
「3. Achievable(達成可能である)」というところで、最初に描いていた目標から達成可能な目標になるように調整してもらいました。
とはいえ、あなたが最初に思い描いた目標というのは、あなたがこの人生を通じて達成できる目標である可能性は大いにあり得る話です。
例えば、大谷選手の活躍をみて、「私も大谷選手みたいになる」と思えるでしょうか?
大谷選手に関するコメントを覗いてみてください。
「私も大谷選手みたいになる」というコメントではなく「大谷選手は日本の誇りだ」のようなコメントばかりではないでしょうか?
そもそも、達成不可能な目標は思いつきすらしません。
ですので、最初に描いた大きな目標は、ずっと先の自分のためにその目標はとっておいてくださいね。