多くの成功者が実践する「アファメーション」。
自己啓発に興味を持ったことがあれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
私がこの手法を知ったのは、30歳で独立を目指して参加したセミナーでした。
夢を実現するために多くの情報に触れる中で、アファメーションの有効性を強調する人が少なくありません。
しかし、私は「アファメーションよりも効果的な方法があるのではないか」と考えました。
アファメーションで挫折した経験がある人にとって、今回の記事が新たなアプローチのヒントになれば幸いです。
アファメーションは本当に有用なのか
確かに、アファメーションには大きな効果があると言われており、その効果を裏付ける研究も、数多く発表されています。
例えば、2013年にCreswellらが行った研究では、「アファメーションがストレスの軽減や問題解決能力の向上に役立つかどうか」について調査されました。
この研究では、アファメーションを実践したグループが「問題解決能力の大幅な向上」と「ストレスの軽減」を示したことが確認されています。
それでも、アファメーションに取り組んで挫折した経験がある人もいるのではないでしょうか。
私も挫折した経験がある1人ではありますが、その原因として「心のブロック」が関係していると考えています。
【参考論文】
Self-Affirmation Improves Problem-Solving under Stress
アファメーションは自分で行う「洗脳」
アファメーションを一言で表現するなら、「自己洗脳」と言えるでしょう。
「洗脳」という言葉を聞くと、怖いイメージを抱く人もいるかもしれません。
日本でも、洗脳に関する大きな事件が過去に起きています。
その事件には、東大・京大卒といった、いわゆるエリートと呼ばれる人たちも巻き込まれていました。
洗脳のプロにかかれば、どんなに警戒心が強い人でも簡単に洗脳できます。
外部からの洗脳は、「自ら近づかないこと」が最善の対処法です。
裏を返せば、自分の決定権を手放さなければ、洗脳を回避することは十分可能です。
このことは、アファメーションが上手くいかない理由にもつながっています。
なぜなら、アファメーションは自分で行う洗脳のようなものであり、警戒心がある場合、その行動を拒む選択肢がとれるからです。
私もアファメーションに挑戦しましたが、最初は失敗しました。
今なら、1日1分から始める、あるいは言葉を録音して耳から取り入れるなど、警戒心を刺激しない方法を試すでしょう。
それでも、最終的には脳の警戒を完全に解く必要があります。
人間は楽を求める生き物であり、少しでも警戒心を抱くような状況になれば、「逃げる」という選択肢を優先します。
結局のところ、危険を冒してまで変化する理由を探すよりも現状維持の方が楽だからです。
警戒心を最小限に抑えるためには、まず警戒を与える要因を取り除き、警戒心を和らげる必要があります。
アファメーションの前に〇〇から始めてみよう
脳の警戒心を緩めるにはどうすればよいのでしょうか――。
私が導き出した結論は、「意識的に『ポジティブな視点を引き出す質問』を自分に投げかける」という方法です。
では、なぜ「質問」に注目したのでしょうか。
それは、「人の脳は1日に約2000回も無意識に質問を投げかけている」という話を思い出したからです。
なぜ私たちは無意識にこれほど多くの質問を投げかけるしょうか?
それは、未知の状況で行動することが危険だと脳が本能的に察知しているからです。
もしこの本能が質問を引き起こしているならば、「質問は脳が情報の重要性を判断するために用いる手段である」とも言えます。
つまり、「脳は、生存確率を高めるために入ってくる情報を選別している」と考えられるのです。
質問を用いてポジティブな視点に変える
では、ここからが本題です。
もし、普段から「ネガティブな情報ばかりに目が行く」と感じるなら、無意識に「ネガティブな情報に注目するような質問」を自分に投げかけているのかもしれません。
普段投げかけられている質問は「人間の生存本能が恐れを基盤にしているから」です。
だからこそ、意図的に「ポジティブな視点に立つ質問」を自分に投げかけることで、入ってくる情報を変えることができると考えました。
つまり、自分に有利な形で質問を使って脳を誘導すれば、脳はそれを重要な情報として認識するのではないか、という結論に至ったのです。
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
あなたが本当に望んでいることが叶った瞬間には、きっとポジティブな感情で満たされているはずです。
もし、「ネガティブな感情にとらわれている」と感じた時や、「ネガティブな質問を自分に投げかけている」と気づいた時は、その内容を紙に書き出してみてください。
そして、書き出した言葉をポジティブに感じられる表現に変換して、自分にもう一度問いかけてみるのです。
これにより、脳が自然とそれを重要なこととして処理し、解決へと導いてくれるはずです。
意図して自分を見つめる時間をとってみよう
普段の生活の中で、ネガティブな感情や問いかけを直視するのが難しいと感じる方もいるでしょう。
その場合は、「自分を見つめる時間を作る」ことをおすすめします。
よく耳にする話かもしれませんが、瞑想は間違いなく効果的です。
もし瞑想に抵抗がある場合でも、何も情報が入らない空間で「ただボーッとする時間を持つ」だけでも構いません。(スマホを手放して完全に情報を遮断した環境が理想的です)
いずれの方法も、実行することで自分の感情を直視することができるため、今回の方法を実践する上で役立つ習慣となるでしょう。
忙しくて時間が取れないと感じている方は、次の記事が参考になるかもしれません。
【参考記事】
時間がないをゼロにする 時間を味方にするシンプルな時間管理術
まとめ:脳のブロックを解いて信用させることが、攻略のカギ
繰り返しになりますが、アファメーションは自分で行う洗脳の一種です。
そして、この手法で成功するために最も重要なのは「警戒心を解くこと」です。
多くの人が、脳の警戒心を解かないままアファメーションを続けてしまい、結果として脳が抵抗し、途中で挫折してしまいます。
外部から受ける洗脳は受け入れやすい傾向がある一方で、決定権が自分にあることで洗脳の難易度が跳ね上がるため、脳が警戒しにくいアプローチが必要です。
そこで、今回提案したのが、「意図的にポジティブな視点に立てる質問を自分に投げかける」という方法でした。
今回の内容を通じて、「質問を上手に使うことで、人生を大きく変える可能性がある」ということが、少しでも伝われば幸いです。