- 「新しいiphoneのCM」を見た翌日から、急にそのiphoneを持っている人が目に付くようになった。
- 最近「青色の服が気になる」と思っていたら、なぜか街中で青色の服を着た人をやたらと見かけるようになった
- 友人から「ゾロ目を見つけてラッキーだった」というエピソードを聞いた日から、やたらとゾロ目をみるようになった。
あなたにもこのような経験はありませんか?
これは、カラーバス効果という心理現象の一つです。
人間の脳は、特定の物事に意識を向けることで、それに関連する情報を自然と多く取り込むようになります。
たとえば、私自身の経験ですが、上記の例の3番目に挙げた「ゾロ目」をよく見る経験を体感したことがあります。
とある動画で「数字には意味がある」という神秘的な話を聞いた翌日から、車のナンバーや時計の時間など、あらゆる「数字の情報」を目にするようになりました。
最近では、ほぼ毎日ゾロ目を見るほどです。
これが、まさにカラーバス効果の典型例です。
ところで、このカラーバス効果について、無意識に特定の情報を集め出すのであれば、人生のあらゆる場面で応用できそうではありませんか?
この記事では、「カラーバス効果」について説明したうえで、「日常でカラーバス効果を最大限引き出す方法」を3つ紹介します。
カラーバス効果って何?
「『青いもの』を頭の中で20秒間思い浮かべてください」
さて、実際に20秒間思い浮かべてみましょうか。
20秒立ちましたら、周りにある「青いもの」に注意を向けてみてください。
おそらく、「普段は認識していなかった青いもの」をいくつか見つけられたのではないでしょうか。
これがカラーバス効果です。
脳は常に膨大な情報を処理しており、その中から「『重要だ』と感じたものだけを意識的に選び出して認識する」というメカニズムがあります。
心理学ではこれを「選択的注意」と呼んでおり、あなたは無意識に特定の情報を感じ取ろうとしているのです。
例えば、今回のように「青」に意識を向けることで、脳が周りの青いものに反応しやすくなります。
カラーバス効果に関する研究
カラーバス効果を裏付ける研究として、1960年代に心理学者のダニエル・カーネマンとアモス・トベルスキーによる研究が有名です。
彼らは、人間が特定の情報に対してどのように反応するかを研究し、認知バイアスの一種として「選択的注意」が働くことを示しました。
つまり、「あなたが興味や関心を持つことに敏感になる一方で、他の無関係な情報が無意識のうちに選別して遮断されている」ということが研究で判明したのです。
この現象を逆の視点で考えた場合、「普段から見逃している情報がたくさんある可能性」についても考える必要があると言えますね。
カラーバス効果を日常生活で応用する方法
カラーバス効果は、ビジネスや学習分野をはじめ日常生活全般においても大いに応用できる効果です。
ここからは、「カラーバス効果を利用して人生を豊かにする方法」について触れていきます。
カラーバス効果を最大限に生かすために、「意識をどこに向けるかが重要だ」という教訓をもとに下記の3つを提案します。
明確な目標を設定する
目標を明確に設定することで、カラーバス効果を発揮できる可能性があります。
このとき、カラーバス効果を最大限発揮したいのであれば、行動計画を細部まで決めないでください。
目標設定と具体的な行動はワンセットで述べられることが多くあります。
ただし、目標達成までのルートは1本道とは限りません。
あなたがスタートする地点で考えている計画よりも適切なルートも存在するかもしれません。
具体的な行動方法まで考えずに、「目標の明確化と最低限の行動」のみを決めて行動を始めましょう。
ダイエットを例にすると、「〇月×日までに△kgになる」という目標と「腹筋を毎日10回する」という行動を決めてすぐに始める
私の場合、筋トレを続ける過程で、「ダイエットに効果的な食品」などの情報を目にしたことで、実践に取り入れて効果を上げた経験があります。
行動計画まで完璧に決めてしまうことは、他に有用な情報を仕入れる隙間を失くしてしまうようなものです。
「SMARTの法則」などを用いて達成したい目標を明確にして、目標に向けての行動を1つだけ決めてから、不完全な計画のままで行動を始めてみましょう。
知りたい情報を寝る前に紙に書いてみる
特に夜になるほど、頭が働かない感覚ってありませんか?
知りたい情報があったりとっさに思いついたことがあったけど、考えたり調べたりする気力もない――このときにキーワードだけでも紙に書いてみましょう。
「〇〇って何だっけ?」と知りたい情報を具体的に指定しても良いですし、「〇〇に関するアイデアが欲しい」みたいに願い事形式で書いてみてもよいでしょう。
最近、ブログの記事を書く時間が増えたのですが、上手く表現できない箇所が出ることって日常茶飯事なんですよね。
そのときに、詰まった個所に仮に知りたいことをメモのように書いておいて、時間を空けています。
不思議なことに、関連した情報が思いもよらないところから入ってきて、空欄を上手に埋めてくれるのです。
脳が情報を整理し、記憶を定着させる主な時間帯は睡眠中や睡眠直前であることが知られています。
ですので、「夜の寝る前」がオススメの時間帯ではありますが、実際はどの時間帯でも試す価値があります。
自分ではすぐ処理できないことは、一旦言語化して脳に丸投げしてみましょう。
知りたい情報に対して自問してみる
自己啓発本の中には「質問力」に関するテーマの本が多く出版されていますよね。
質問を活用することでカラーバス効果が発揮され、質問に関連した情報を脳の内外から集めようとします。
これは、前述した質問の結果を体感したあなたならなんとなく理解できることではないでしょうか。
ところで、内容は関係なく、質問されることって重要なことのように感じませんか?
カラーバス効果という現象が起こるのは、「生きるうえで重要な情報を優先して手にするための生存本能」によるものです
ちなみに、人は一日のうちにおよそ2000回ほど無意識に脳内で質問していると言われています。
AIに質問を投げかけたら大抵のことを答えてくれるのと同じで、日常生活で入ってくるほとんどの情報はこの無意識な質問の答えとして脳が提示しているものではないでしょうか。
カラーバス効果を最大限に使うためには、「自問」の力を使わない手はありません。
同じ自問でも、私のおすすめは、「自分がポジティブに目を向けられるような質問を意図的に入れてみること」です。
その理由を知りたい方は、下記の記事を読んでみてくださいね。
【参考記事】
カラーバス効果を利用して人生を豊かにする方法 まとめ
カラーバス効果を効果的に活用することで、目標達成に向けた集中力が高まり、重要な情報をより効果的に取り入れることができるようになります。
以下に、カラーバス効果の要点をまとめます。
- カラーバス効果とは:特定の物事に意識を向けることで、関連する情報がより多く目に入る心理現象です。
- 選択的注意:脳は膨大な情報の中から、自分が興味を持っていることや重要だと感じるものを優先して認識します。
- 研究の裏付け:心理学者ダニエル・カーネマンとアモス・トベルスキーの研究により、この選択的注意が認知バイアスの一種であることが確認されています。
日常生活での応用方法:
- 明確な目標設定をする:完璧な計画にこだわらず、まずは最小限の行動から始めましょう。
- 知りたい情報を寝る前に書き出す:脳に情報を投げかけるために、紙に書き出す習慣を持つことで、関連する情報が自然に引き寄せられます。
- 自問する:ポジティブな質問を自分に投げかけることで、必要な情報に気づきやすくなります。
これらのポイントを意識して、まずは「何に意識を向けるのか」を明確にしてみてください。
その上で、カラーバス効果を最大限活用するのであれば、「目標だけ明確にして手段を細かく考えないこと」が望ましいです。
まずは目標に対する行動を1つだけ決めて始めてみてはいかがでしょうか?
行動しているうちに、カラーバス効果を実感するタイミングが来るはずです。
それでは、あなたの日常がさらに豊かで実り多いものになることを願っています。