いまやSNSや職場など、日常のあらゆる場面で多くの人と関わることが当たり前になりました。
そんな中、すべての人と仲良くしなければならないようなプレッシャーを感じることはありませんか?
「みんなとうまくやっていかないと」と思うあまり、無意識に無理をしている方も多いかもしれません。
実際のとろこ、「本当に、誰とでも仲良くしなければならない」という考え方には疑問が残ります。
人間関係の中には、こちらが一方的に気を遣い、疲れを感じてしまう関係もあります。
そのような関係を無理に続けていると、少しずつ自分の心がすり減ってしまうこともあるでしょう。
自分の心の健康を守り、本当に必要な関係を築くためには、「距離を取ること」や「ノーを伝える勇気」が大切です。
この記事では「無理なく健やかに人間関係を築くための距離感の保ち方」についてご紹介します。
アドラーの教え:すべての人と無理に仲良くする必要はない
心理学者アルフレッド・アドラーは、「嫌われる勇気」を持つことの大切さを説いています。
すべての人と無理に仲良くしようとすることは、かえって自分に負担をかけ、ストレスを感じる原因にもなるからです。
【参考: 嫌われる勇気】
確かに、人間関係を良好に保つために、「相手に寄り添い共感する姿勢を持つこと」は大切です。
この姿勢は「相手を理解しよう」という誠実な態度からきており、その態度から信頼できる人だと心理的に認識します。
ですので、人間関係を良好に保つために、相手にしっかりと向き合うことはとても大切なことです。
一方で、関係性が一方的で、こちらが相手にばかりエネルギーを注いでいると感じるような関係は、「距離をおく」「手を取り合わない」選択をとる方が賢明かもしれません。
たとえば、相手と一緒にいると自分が過度に疲れてしまったり、相手の感情に引きずられて自分の気持ちが参ってしまう場合が挙げられます。
こうした関係は自然なギブアンドテイクがなく、「心理的なエネルギー」が奪われている状態です。
無理に合わせることで自分の心が疲れてしまうため、「距離を置く」という選択肢を持ちましょう。
「自分を大切にすること」も忘れずに。
相手の気持ちに寄り添いながらも、どうしても辛いときには「一度距離を置く」ことも選択肢に入れて、自分の心の負担を軽くしていくことが大事です。
自分を大切にするための「適切な距離感」の保ち方
人間関係の質を高め、長続きするものにするためには、自分が無理なく自然体でいられる関係性を築くことが大事です。
そのためには、相手の行動や感情に振り回されないような「適切な距離感」を保つことが必須と言えるでしょう。
では、どのようにして適切な距離感を保っていけばよいのでしょうか?
ここでは、具体的な方法について解説します。
1.相手との関係を見直す勇気を持つ
「自然にふるまえない」と感じるような関係については、無理に寄り添うのではなく、一歩引いた接し方をしてみましょう。
たとえば、気心の知れた友人とは楽しく過ごせている一方で、特定の相手と会うたびに気持ちが重くなるようなら、それは自然体でいられていないサインであると受け取れます。
無理に距離を縮めるよりも、「今の距離感を維持する」か「第三者ぐらいの立ち位置まで距離を置く」選択が必要です。
2. 「心の休憩時間」を設ける
良好な関係性を持つ友人と接することでさえ、人間関係のストレスは蓄積されていきます。
人間関係に疲れてしまったときは、意図的に「心の休憩時間」を取ることを心がけましょう。
たとえば、「一人で過ごす時間」や「趣味に没頭する時間」を毎日の予定に組み込むことで、自分の感情をリセットし、心のバランスを整えることができます。
実感してから予定に組み込むよりは、疲れを感じないうちから上記の時間を習慣的に取り入れることで、(★加筆)
3. ビジネスライクな関係も価値がある
ビジネスシーンにおいては、気が合わない人とも接する機会も少なくありません。
一方で、感情を過度に交えずに必要な情報や協力を行う「ビジネスライクな仲良し」が成立することも多く、これが意外とスムーズな関係を築く要素となります。
お互いに過度な期待をしないことで、ストレスを軽減し、仕事に集中できるメリットがあります。
4. 「ノー」を伝える練習をする
相手から無理な頼みごとや感情の共有を求められたとき、「ノー」と伝える練習をするのも、自分を守る手段の一つです。
Noが言えない人の多くは、他人の反応を過度に意識しがちです。
しかし、仮に「No」を伝えることで関係が崩れるようなら、果たしてその関係は本当に維持する価値があるのでしょうか?
無理に関係を続けることで自分が負担を感じるような相手なら、一度冷静に距離を考え直すことも大切です。
例えば、「今は忙しいから手伝えない」「その話題は少し重いからまた別のときに話そう」など、やんわりと自分の気持ちを伝えるスキルを身につけると、人間関係がずっと楽になりますよ。
自分を大切にすることで得られるメリット
考え方が合わない人でも無理に仲良くしようとする「八方美人」的な生き方をしている人もいるかもしれませんね。
一見、周囲との関係を広げているように見えますが、実際には人間関係が広く浅くなりがちで、心が疲れるわりに周囲からの信用や本当の信頼を得にくい傾向にあります。
一方で、自分にとって適切な距離感を意識しながら関係を築くことで、心の健康を保ち、結果的にストレスの少ない人間関係を築けるでしょう。
無理なく自然体でいられるため、心理的な負担が軽減され、日々の生活や仕事にも良い影響が期待できます。
また、無理に誰かに合わせる必要がなくなるため、自分の時間やエネルギーを本当に大切にしたいことに注ぐことができるのも大きなメリットです。
気持ちをリセットするための3つの習慣
無理をせず気持ちのリセットを習慣に取り入れ、心のバランスを保つために、次の3つの習慣を意識してみましょう。
1.一人の時間を大切にする
週末や平日の空き時間に、散歩やカフェといった一人で過ごす時間を作って、リラックスする習慣を取り入れてみましょう。
一人で過ごすことで、自分の感情に向き合いやすくなり、日常の忙しさから離れて心を落ち着ける時間を持てるようになります。
2.自分の気持ちを記録する(ジャーナル)
日記やメモ帳に、その日の気持ちや出来事を書き留める習慣をつけることで、自分の内面を整理し、ストレスや不安を軽減できます。
悩みを具体的に特定できることにより、漠然とした不安を抱え続けずに済むからです。
特に、印象に残った出来事や心が動かされたことを書き出すと、気持ちの整理がしやすくなり、冷静に自分を見つめなおすことができます。
3.リフレーミングする
リフレーミングとは、「嫌な出来事や失敗したことを、違う視点で前向きに捉え直すこと」です。
例えば、「今日はうまくいかなかったけど、次に生かせる貴重な経験ができた」と考えると、気持ちが軽くなり、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。
リフレーミングを取り入れると、少し離れた視点から物事考えられるようになり、結果的にストレスの軽減も期待できます。
まとめ
今回の記事では、「無理なく健やかに人間関係を築くための距離感の保ち方」についてお伝えしました。
自分にとって無理のない付き合い方を見つけることで、心の健康を守り、日々をより快適に過ごせるようになるでしょう。
以下に、記事の要点をまとめました。
1.人間関係の適切な距離感を見極めることが大切
無理に誰とでも仲良くしようとせず、自分にとって自然体でいられる人間関係を築きましょう。
2.アドラーの教え:「嫌われる勇気」を持つことの重要性
すべての人に合わせるのではなく、自分の気持ちや負担も大切にすることで、健全な人間関係を維持できます。
3.適切な距離感を保つための4つの方法
ⅰ)関係を見直す勇気を持つ:無理に寄り添うより、一歩引いた距離感を心がけましょう
ⅱ)心の休憩時間を確保する:一人で過ごす時間や趣味の時間を取り入れ、気持ちをリセットする習慣を持ちましょう
ⅲ)ビジネスライクな関係の価値:必要な情報交換や協力に留めることで、過度な期待やストレスを防げます
ⅳ)「ノー」を伝える練習:無理な頼みに対して、断る練習をしましょう。
4.気持ちをリセットするための3つの習慣
ⅰ)一人の時間を大切にする:散歩やカフェなど、リラックスできる時間を確保しましょう。
ⅱ)気持ちを記録する(ジャーナル):気持ちを細かく書き出して内面を整理しましょう。
ⅲ)リフレーミングする:ネガティブな出来事もポジティブに捉え直すことで、ストレスを軽減できます。
案外、本当に気が合う人以外は「ビジネス的な仲良し」の関係性までに留めておく方がこの世界を生きるのに楽なのかもしれません。
まずは「適切な距離を保つ方法」や「気持ちをリセットするための習慣作り」から、できそうなことを1つ試してみましょう。
自分にとって心地よい距離を見極め、穏やかで自然体でいられる関係を大切にしてください。