昨今の状況を踏まえて多くのイベントが中止となりました。
どの世代においても競技人口が多いマラソンについても、同じように延期や中止が相次ぎました。
主催者側も模索し始めた結果、『リモートでのマラソン大会の開催』という新しい形での開催が数多く実現されています。
今回はリモートマラソンについて詳しく紐解き、今後どうなるかの考察を含めた記事を提供します。
リモートマラソンとは?

・アプリやランニングウォッチを使用して行うマラソン形式をリモートマラソンと呼ばれている。
・走行距離とタイムを計り、データを大会主催者に送って順位が決まる仕組みとなっているところが多い。
・決められた一定期間の間に走ってデータを送ればOK。
6月初旬に行われた『第1回全日本インターネットマラソン選手権』という大会が皮切りに、開催できなかった大会の代替えの大会として、類似する形式のリモートマラソン大会が続々と登場しました。
決まり事(ルール)は?
ルールはそれぞれの大会で異なりますが、以下のような形式が見られました。
大きく分けると2通りに分類できました。
①エントリーした距離以上を1回で走りきる(タイムで順位等を出す大会に多い)
②期間内に累積で指定の距離を走る(完走できればOK、市民向けの大会に多い?)
タイムを出す大会についてはほぼ共通で、実走行距離の平均ペースからマラソンのタイムを算出する方法が採用されます。
フルマラソンで計算例挙げてみます。
①平均ペースを出す、②そのペースで42.195km走ったらどれほどの時間がかかるか算出する、という手順です。
(なかなか綺麗な例は容易できなかったのでご勘弁を)
①60kmを6時間で走った場合、時速10kmで走ったことになります。
60km÷6h=10km/h
②1時間で10km走れる人が同じ速度で42.195km完走したとするとおおよそ計算で4時間13分10秒となります。
42.195km÷10km/h=4.2195h
4.2195時間≒4時間13分10秒となります。
・開催期間内であれば、どのタイミングでスタートしてもOKな大会もある
本格的な大会は、指定された期間が短かったり開始時間が決められている一方で、期間が長めで、スタート時間も問われないような大会もありました。
・コースは自分で決められる
コースは安全な場所ならどこでも大丈夫です。中にはコースが指定されているイベントもありました。(あかぎ大沼バーチャルトライアル2020)
リモートマラソンのメリットとデメリット

・運動不足の解消の場として有効
→環境があるからこそ、目標ができて走るきっかけとなる
・(大会にもよるが、)無理に予定を合わせる必要がなくなり、自分の都合の良い時間や場所で参加できる
→わざわざマラソンの為に有給を取ったり、長時間の移動等もする必要がない。
・マラソン版記録のリセマラが可能かも?
→何回も挑戦して、一番いい記録を出せるかもしれません。
・あらゆる事情で参加ができなかった大会にも参加することができる
→会場まで足を運べないから参加できないと言う人も参加できる
・コースにより有利、不利がでる
→コースの特徴や天候・気候等が異なるので、同条件でない以上他の人と比べて有利にも不利にも傾く。
・大会特有の特別感が一切感じられない。
→実際に現地で走る時の独特な雰囲気を楽しんでいる方もいます。
リモートだと結局いつものランニングコースを走るだけになりがち。特別感はなさそう。
・アプリを使っている以上、不正が出来てしまう可能性がある。
→例えば禁止されている靴をこっそり使えたり、自転車とか使えたり・・・。(お金払ってまでそんなことするかは定かではないが)
・スマホに疎い人は一苦労するかもしれない。
→スマホのバージョンが合っていないことにより使えなかったり、そもそもアプリの使い方が分からないと言う人も出てくる可能性も。
(ちなみにスマホのショップ店員に聞きに行く人もいるかもしれませんが、バージョンの事以外はおそらく大半の店員さんわからないので、自分で解決しないといけません。)
・選考会絡みのマラソンには応用は厳しいかも
→記録の正確性や同条件で走っていない点を考慮に入れると、公式の記録として取り扱ったり、代表を決める選考会には応用できないと考えます。
・安全面の確保が難しい
→同じ会場でやるからこそあらゆる安全対策ができる。
参加者の多くが異なる場所で走るとなると、大会側が対策することは非常に厳しいので、運営側としてはなるべく避けたいのでは?
・全力で走れない・完走率の低下
→そゴール地点がはっきりしていること、安全が確保されていること、周りに同じように走っている人がいる
恵まれた環境が揃っているからこそ全力で走れるし、止めたくなっても頑張れる。
リモートでは一人で走る方が多いので、途中で甘えてしまう方も増えるのではないだろうか。
ネットの声、リモートマラソンについてどう思う?
ネットの声
リモートなら気軽に参加できるかないいなと思います。
このご時世、仮にあったとしても気軽に参加できないので・・・。
ただ、できるなら実際のコース走りたいですね。
リモートマラソンの開催は今後も続くのか?
その一方で、事態が収まれば従来の開催形式が優先されると考えます。
①新たな層の獲得ができる点で、リモート枠は維持される可能性は高い
情勢が良くなったとしても、万が一何かあったことを考えると完全に過去と同じような形式での開催はなかなかできないでしょう。
チャリティーマラソンに何なかの形で参加したいという方や、タイム等の自身の成長だけ見る方なら特に走る場所にこだわりがない方もいますので、リモート募集についての需要はあるでしょう。
あとは、東京マラソンのような抽選もれがたくさん出るような大会とかなら、リモートでも参加したいって人はいるのではないでしょうか?
リモートマラソンは、『抽選もれ等で参加できない事情の方が参加できる事』と『リモート枠で参加者が増えれば運営側にも収益等でプラスになる事』という双方のメリットを作り出す新しい開催形式になると考えています。
②現時点では、リモートマラソンより従来のマラソン形式の方が魅力的
とはいえ、全体的に見ると『リモートマラソン<現地でのマラソン大会』という法則が崩れる事はないでしょう。
記録を求めている人、その地域で行われるマラソンならではの雰囲気を楽しむ人等、目的はランナーにとって様々です。
ただ、その大会の指定されたコースで皆と走るからこそ意義があると考えているランナーが大半ではないでしょうか?
仮に、従来通りの開催ができるような環境が整うのであれば、リモート参加よりは会場に運びたいと思うのが自然な流れです。
その地域の特産物食べながら走ったりとか、その地域でしかみれない風景を味わいながら走ったりとか、リモートマラソンではできないことですからね。
体感できる環境には今のリモートマラソンでは太刀打ちできません。
③一番の懸念材料は安全性
日本全国どこでもコースとして選んでいいとなると、様々なリスクが伴います。
注意事項等に『安全が十分確保された場所で』という表記はあるものの、個人でそのような環境を整えるのには限界があります。
実際に走っているといつ何が起きるかわからないというのも怖い所です。
自分が済む地域にある程度の規模を誇ったマラソン大会が開かれていますが、途中で脱落する人が数多くいます。
しかも時には救急車が必要な人とか、一人で立ち上がれなくなる人もいます。
そういった人をバスで拾ってゴールまで運んだりするのは運営側の役割でした。
加えて、限界まで力を出し切って走れるのは、近くに救護のスタッフとかがいて安全性がある程度確保されているという安心感もあるからだと考えます。
安全の確保ができていないというリスクだけでなく、全力で走ることもできないという点もデメリットではないでしょうか?
まとめ

このご時世でもマラソンができるように、という想いから生まれたであろうリモートマラソン。
リモート飲み会をした際に、『やはり飲むなら店で直接飲みたいよな』っていうお話を聞いたことを思い出しながら、ランナー達の本音は会場で皆と走りたいのではないかと感じてしまいます。
やはり、リアルで体感するのが理想ではないかと。
その一方で、今まで行きたくても遠くて行けなかったコンサートをリモートを通じて体験することもできました。
リモートがあることによって逆に体験できることも数多くあります。
こう考えると、今の時点ではしっくりこないことも多いですが、リモートには無限に可能性がありますよね。
技術もこれから劇的に進歩するでしょうし、もしかすると会場にいなくてもその土地の雰囲気を体感できるようなリモートマラソンも誕生するかもしれませんよ。
これをきっかけによりリモートマラソンが魅力的なものになることを期待しつつ、この記事は以上とさせていただきます。
参加特典で名産品や地域にちなんだグッズがもらえたり、豪華景品が当たる抽選会があったりと、参加特典で惹かれてしまうような大会も結構ありました。
GPSトレーニングアプリ「TATTA」を活用したランニングイベントを紹介していたページがありましたので、興味がある方はチラっと見てみてはいかがでしょうか?